JIPSA一般社団法人 日本エア遊具安全普及協会

水上エア遊具について消費者事故調より報告書が公表されました。関連する設置・運営事業者は、応急的な再発防止策を実施されますよう、当協会としても注意喚起いたします。

2020年06月20日

水上エア遊具の設置・運営に係わる事業者様各位

2019年8月に「としまえん」のプールで起きた水上エア遊具に関連する事故をうけて、消費者安全調査委員会(消費者事故調)より、調査報告書が2020年6月19日に公表されました。
内容については下記参照ください。

概要
本文

報告書では、実験の結果、落水後に遊具の底面に潜り込み、ライフジャケットの浮力が障害となって、自力で脱出が困難となる事実が確認されたとしています。
水上遊具の製品自体の安全基準については今後経済産業省が主体となって整備されていく方向性ですが、相応の時間を要するため、当面の使用においては、応急的に下記のような再発防止策をとるよう設置・運営事業者は求められています。

1.遊戯施設での遊び方として、落とし合う行為及び遊具の端から水中を覗き込むことを禁止とし、意図せず落水した場合には、遊具から離れることを徹底する。

2.落水した利用者が浮上して遊具から離れたことを見届ける監視体制を維持するために、定員管理の設定又は見直し、監視要員数の見直し及び適切な配置を行う。また、遊具下に利用者がいないこと確認するための水中巡視点検方法(水中監視カメラシステム、水中ドローンの活用等)を検討する。

3.身長及び年齢等の利用者制限、保護者同伴を条件として利用を認める場合の子供の人数制限についての設定又は見直しを行う。

4.ライフジャケットを着用した利用者が落水した場合に慌てることがないように、利用前に落水体験及び浮力体験を行う。

5.事故対応での救助活動に際しては本報告書に示す浮力抵抗実験の結果を踏まえ、ライフジャケットを着用した被災者を引き下げて遊具下面から離した状態で複数の者により救助することを監視員に周知する。

6.遊具をプールに設置する遊戯施設の場合は、本報告書の「再発防止策」に示す付加保護方策の実施を検討する。

(協会注釈:プールに設置する場合はライフジャケットの着用を取りやめ、水深の浅いプールに設置することも検討する。その場合は、プール底面への衝突リスクへの対応、あるいは落水・遊具下への潜り込み防止ガードの設置等のリスク低減策も同時に検討する)

協会としては、上記再発防止策に加え、以下の対策を実施するよう、設置・運営事業者の皆様に要請いたします。

a.運営スタッフを統括し、安全管理上の権限を行使し得る立場の者として運営管理責任者を選任し、運営中は常時運営現場で指揮をとりましょう。

b.運営管理責任者は、エア遊具についての取扱知識と、水上での安全及び救助に関する知識・資格の両方を持つ者を選任するようにしましょう。

c.遊具の適切な遊び方・注意事項・禁止事項について、入場者にわかりやすく注意喚起を行うため、受付等に掲示するのみならず、遊具本体にも警告標識・マーク等を設置するようにしましょう。特に重要な事項については、入場時に口頭でも補足説明しましょう。

d.一定時間毎に休憩時間を確保するとともに、休憩時間中にエア遊具の空気漏れ・破損の有無のチェック、エア遊具周囲・底面下部の安全確認、及び参加者の点呼確認を徹底しましょう。

以上。